都会の片隅で起きた世界一魅力の無い心理戦①
人見知りが治らない。
女子はおろか男子と話すときでさえも、自分の視点が定まらずなぜか常にソワソワしている。さらに滑舌が壊滅的なくせして早口だから始末に負えない。
中学性の頃、気になる女子に話しかけられ、緊張のあまり失禁してしまったことがある。
そのくらいの人見知り。
彼女が欲しいとかいう具体的な欲求以前に、ヤバい奴だと思われない人になりたいって思ってる。
でも、そういう心理からミッションインポッシブル並みに迫りくる数多の青春から逃れ続けた学生時代を送っていたせいで
女の人って妖精というかエンジェルに近いイメージで、
美少女っておならやウンチをしないんだろうなーとか
いつもいい匂いに包まれているんだろうなーとか
頭の中にマカロンでも詰まっているんじゃないの?と言われかねないメルヘンさでもって今まで生きてきたので、
いざ女性と接しろと言われると、もう変なプレッシャーで顔真っ赤になりながら杖歩行レベルで登場するかもしんないけど・・・・大丈夫?
『大丈夫ではないけどそれはそれで面白い。』
と、彼から帰ってきたのがちょうど5日前のこと。
大学デビューの勢いで怒涛の如く交換した100以上のLINEの中で、唯一連絡が取れる彼。
ただでさえ希薄な大学の友人関係のなかでかろうじて繋がっているだけの僕に合コンのお誘いが来た。
( ^ω^)・・・・・マジか・・・?
それほど、いや全然仲良くもない、道ですれ違ってもお互いに会釈するくらいの関係性しかない人間を合コンに招く理由はただ一つ。人数合わせ。
この辺の心理が良くわからない。たとえ人数が足りなかったとしても顔見知りにも満たない人を呼びたいものなのか。
僕が言ったところで、そこには悲しみしか生まれないのに。
お互いに
「あ・・どうも・・・」
と、形式的なご挨拶を交わしたところで
景気はちっとも良くならないし、
世の中から不倫は無くならないし、
その時歴史も動かない。
それだけは変えがたい事実。
それに、合コンがどうとかいう前に人前に出せる顔がないッッッ!!
今、持ち合わせている表情と言えば、
コンビニバイトで『ザシキワラシのようで不快!』とお客様に定評のあったニタリ顔か、
純度100%の無表情。その2種類のみ。
この状態での合コンは、戦争に行くのに細い棒を持ってくようなものだ。
圧倒的敗北。
・・・あぁAmazonでちょうどいい人懐っこい笑顔は売ってないものか。
はあ…行くの辞めよう……
(ピコン
「あそうそう!女の子たちの写真送っとくは!」
写真か…ふーん……
(-。-)y-゜゜゜
・・・
「えーっとこちらが僕さんでーす」
「ドドッモ、ヨロシク」
「よろしくお願いします!(エンジェルズスマイル)」
「・・( ◎_◎ )・・・」
・・・結局行った。(断れないタイプ) テンパりながら。
男子3人vs女子3人
男子サイド
先鋒 僕・・・23歳。いろいろ残念な子。目の前の車が目の前で左折するとつられて左折してしまう。
次鋒 エアー君・・・確か22歳。この会において全く存在感がなく、彼の顔は今となってはピカソの書いた人物画見たくなっており、存在すら怪しい。
大将 ボブ・・・23歳。フツメンコミュ力のお化け。2人の仲介役。
以上、地獄のような男子メンツ。なぜボブはこのメンツで合コンをしようと思ったのか。人員不足も甚だしい。
対して
女子サイド
先鋒 ミズキ・・・22歳。大学生。普通。
次鋒 アキ・・・24歳。彼氏に振られたばかりで傷心中らしい。笑顔がブサイク。
大将 マリナ・・・23歳。ガツガツ系。おそらく車だったら車検が通らないほどに顎が出ている。(顎までガツガツ系)
僕はもう二度とSNOWは信じない(固い意志)
絶対にだ。
To be continued…